滑車と張力。滑車が糸から受ける力を詳しく見てみた

 

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オンライン物理塾長あっきー。高3秋から1か月で40点点上げ、センター試験では満点を取り、その経験を活かし塾講師として活躍。塾・学校・参考書の内容やカリキュラムに違和感を感じ数多くの高校生を救うため、大学2年生で「受験物理Set Up」を開設。多くの高校生が活用するサイトに発展し、現在「合格への道」で勉強法に特化した受験サポートを行う。

糸を滑車に通す。こういう状況はよく見るよね?AIさんはこの時の滑車に働く力を考えたことってありますか??

AKINORI

滑車にかかる力?う~ん、考えてないかもです。それがどうかしたんですか?

AI

実は、滑車の力って考えておかないとヤバいときがあるんだ!ということで、今日は滑車と糸について考えていこう!!

AKINORI

 

僕に、こんな質問が来ました。

 

下の状況でなんで、外力を加えていると物体Cは動かないんですか?

 

A,Bは滑らかな滑車を通して糸でつながっています。また、Cも床に固定されているわけではないので、力を加えることで動かしたりできます。すべての面で摩擦はないとしますね。

 

さて、この状態で外から何も力を加えないと、Cはどうなると思いますか??

 

・・・え?止まったままなんじゃ・・?

AI

 

違います!

 

 

この場合、右向きに力を加えないとCは動いてしまいます。

 

 

これには、滑車が関係しています。

 

滑車も力を受ける??

 

Cに働く力を考えて見ましょう。

 

とりあえず、ここまではわかりますね。

 

 

実は、まだ力はあります。

それは

 

滑車が糸から受ける力です。

 

 

 

このように、滑車は糸から

 

・水平右向き

・鉛直下向き

 

の力を受けます。

 

これを見れば明らかですね。

 

 

このままだと左向きに動く!!

 

というわけで、右向きに外力を加えないと静止させることができないわけですね。

 

なるほど!滑車の力も考える必要があるんですね!

AI

Cが固定されていれば、Cについては考える必要があまりないので、滑車の受ける力を考える必要はないんだね。

AKINORI

 

なんで滑車は力を受けるの!?

 

でも、そもそもなんで滑車に力が働くんですか?別に摩擦があるわけじゃないですよね?

AI

そうだね。そこを詳しく見ていこう!

AKINORI

 

とりあえず、滑車には力が働くよ~

っていうのはわかりましたか?

 

 

まあ、そんなのはどうでも良くて(笑)

 

 

なんで滑車にはさっきのような力が働くの??

っていうのを考えていきます。ここが大事です。

これが今日のメインですね。

 

ではいきます!

 

ひもを細かく分解してみる

 

滑車とひもはこういう状態になっています。

 

 

拡大図です。

 

ひもが滑車に乗っているので、滑車はひもから力を受けますね。

しかし、いろんな面から力を受けるので、結果的にどんな力が働くのかを考えるのは難しいです。

 

 

ということで、このひもを細かく分割していきます。

 

 

こんな感じで、滑車に接している糸を\(n\)個に分けて、番号をつけていきます。

 

そうすると、滑車の受ける力は

 

各ブロックから受ける力を足し合わせたもの

 

ですよね。

 

 

つまり、図のように、各ブロックから受ける力を

\(\vec{N_1}, … , \vec{N_n}\)

としたら、その合力

 

\(\vec{F} = \vec{N_1} + … + \vec{N_n}\)

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を求めればいいということです。

 

*以降はベクトルが重要になってくるので、ベクトルについてはこちらを見ておいてください!

 

ベクトル量とは?高校物理でも使うべきベクトルのまとめ

 

 

ここで、糸の各ブロックが受ける力を考えて見ましょう。

 

まずはブロック1です。

 

 

ブロック1には3つの力がはたらきます。

 

  • 滑車から受ける力

これは、さっき滑車受ける力を\(\vec{N_1}\)としたので、

糸が滑車から受ける力は

\(-\vec{N_1}\)

 

となりますね。

 

マイナスは向きが逆という意味を表しています。

 

  • 下側の糸から受ける力\(\vec{T_1}\)

 

  • ブロック2から受ける力\(\vec{F_1}\)

 

という風に力を考えることができますね。

 

 

次にブロック2についても考えて見ると。。。

 

 

ブロック1の場合とほとんど同じです。

 

  • 滑車から受ける力\(-\vec{N_2}\)

 

  • ブロック1から受ける力\(-\vec{F_1}\)

 

  • ブロック3から受ける力\(\vec{F_2}\)

 

と、こんな感じですね。

 

これを\(n\)個目まで同じようにやっていきます。

 

 

ここまで良いですか?

 

 

さて、このブロックをつなげれば糸全体になりますよね。

 

この糸は軽い糸、つまり質量を無視しています。

 

質量を無視できるとき、糸に働く合力は0です。(力がつり合っている)。

 

これについてはこちらをチェックしてください。

糸の張力の大きさは両端でいつも同じなの?

 

\(m\vec{a} = \vec{F}\)

の\(m = 0\)を考えれば

\(\vec{F} = 0\)ですね。

 

ですから、合力は0です。

 

 

というわけで、糸の合力を考えていきます。

 

が、これはすごくきれいな形になります。

 

 

各ブロックが及ぼしあう力は作用反作用の関係にあるので、

足し合わせるとこの力は相殺されます!

 

なので、考えるべき力は

  • 滑車から受ける力
  • 滑車に接していない糸から受ける力

ですね。

 

 

これらの合力が0になりますから

 

\(\vec{T_1} + \vec{T_n} + (-\vec{N_1}) + … + (-\vec{N_n}) = 0\)

 

合力はとにかくベクトルを足す!!

 

これがポイントでした。

 

詳しい話はこちらで

運動方程式の公式と立てる流れ。あなた間違ってますよ!

 

 

今立てた式を変形します。

 

\(\vec{N_1} + … + \vec{N_n} = \vec{T_1} + \vec{T_n}\)

 

 

あれ?左辺ってまさに滑車が受ける力だ!

AI

そう。そして、右辺はどんな力だった?

AKINORI

下向きの力と上向きの力です!!

AI

 

 

わかりましたね。滑車が受ける力は

 

滑車に接していない部分の糸が引っ張る力

 

というわけです。

 

なので、最初に考えたこの状態では、

滑車に左向きの力と下向きの力がかかるわけです。

 

これらの力の大きさは張力の大きさ\(T\)でともに等しいです。

 

 

なるほど!滑車と糸について詳しく見てみると、滑車が力を受けることがわかるんですね!

AI

そう!また、滑車との摩擦が無くても力が働いているのが今のでわかるね。

AKINORI

 

 

 

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