高校物理の電磁気の勉強法【回路問題を解くコツはこれだけです】
どうも!オンライン物理塾長あっきーです
あっきー
「電磁気が難しすぎる!!」と悩んでいませんか?
そうですよね。公式は多いし、回路問題はコンデンサーやらダイオードやら交流やら、それでスイッチをめっちゃ操作して・・・
もうパンク寸前ですよね。
しかし、それは単純に解き方がごちゃごちゃしているだけです。
回路問題の解き方は次の1枚の図がすべてです。
僕はこの解法を頭に入れてセンター試験で満点を取り、早稲田大学に合格しました。
この図だけ見てもたぶんさっぱりだと思うので最後までこの記事を読んでくださいね。
電磁気の回路問題の解き方
電磁気の基本はキルヒホッフ
各素子の特徴をつかむ
目次
電磁気の回路問題を解くコツ
電磁気の問題にはコツがあります。それは以下の流れで問題を解いていくことです。
- キルヒホッフの法則
- 直流か交流か?
- 素子の特徴
最初に「キルヒホッフの法則を使うんだ!」と意識をして、そのうえで回路が直流か交流かを見て、素子の特徴をとらえて組み立てていきます。
このステップを踏むことで、コンデンサー、抵抗、ダイオードなどが何個もつながっていて、かつスイッチ操作が行われたとしても簡単に解くことができます。
電磁気の回路問題のコツ:キルヒホッフの法則
キルヒホッフの法則というのは回路問題の超重要法則です。
・(流れ込む電流の和)=(流れ出る電流の和)
・1周した電位=0
これがキルヒホッフの法則です。
キルヒホッフの法則はどんな回路でも成り立ちます。どれだけ素子が含まれていても、回路が直流だろうと交流だろうと成り立ちます。
つまり、回路問題が出た瞬間に「まずはキルヒホッフの法則を使おう」と考えるべきなんです!
キルヒホッフの法則を使うためにやるべきことがあります。
オンライン物理塾長あっきー
キルヒホッフの法則の使い方
キルヒホッフの法則を使うためには以下の2つの準備をしましょう!
- 電流の決定
- 電圧マークを書く
まず、電流について情報がなかったら電流を定めます。
そして、電流に関する関係式を立てます。
そのあとに、電圧マークを書いていきます。
このように、して後は「一周した電位=0」を使います。
電磁気の回路問題のゴールはこの電圧マークを書くことなのです。
抵抗ならこれで良いのですが、コンデンサーやダイオード、コイルなどがあると電流だけの情報では電圧マークはかけません。
コンデンサーの電位差は\(Q = CV\)から電気量の情報が必要なのです。電流だけでは表せません。
キルヒホッフの法則を使うために、次のステップとして各素子の特徴を見ていくのです。
電磁気の回路問題のコツ:直流・交流
各素子の特徴は直流回路なのか交流回路なのかで変わってきます。
根本的な性質は変わらないのですが、交流ならではの考え方などがあるんです。
例えばコンデンサーの式\(Q = CV\)は直流でも交流でも変わりません。しかし交流にはリアクタンスという概念が出てきます。
直流回路は\(Q = CV\)のような各素子が持つ関係式で終わりなので、交流が出てきた場合に交流ならでは考え方を知っておく必要があります。
交流回路のおける考え方
交流回路は日常生活と大きく関係しています。家に供給される電気は交流です。
ですから日常生活と関連させることが重要になってきます。
交流回路の理解で必要なのは「交流を直流に置き換える」という見方です。
日常生活でも電力を計算しまね。これは交流だとえらい計算が大変です。
それを直流に置き換えることで計算が楽になるのです。
その置き換えによって生まれた考え方が
- 実効値
- リアクタンス
ということです。
さらっと話をしましたが、この全体像が分かっていることが本当に重要です。
問題が交流回路であれば、この話を念頭に置いて問題に取り掛かる必要があります。
電磁気の回路問題のコツ:直流回路の素子の特徴
直流か交流かを見極めたうえで、各素子の特徴をつかんでいきます。
ここで特徴がつかめれば、電圧マークを書くことができ、無事に問題が解けるということです。
直流回路の抵抗の特徴
抵抗は特に問題ありませんね。オームの法則だけです。
直流回路のコイルの特徴
コイルの電圧は次のように表せます。
コイルの電圧は電流の時間変化によって表されます。このままでも良いのですが、マイナスがあると混乱するので
先に大きさを求めて、向きを後から考えるようにしましょう。
直流回路でのコイルの扱い方
直流回路ではコイルは電源を入れた直後や電源を切った直後しか機能しません。
直流回路は電流が一定なので、電源を入れた最初しか電流の変化が無いからです。
コイルは基本的に交流で出てきます。
直流回路のコンデンサーの特徴
コンデンサーの電圧は次のように表せます。
これは当然知っていますが、大事なのは直流回路でのコンデンサーをどのように扱うかです。
直流回路でのコンデンサーの扱い方
コンデンサーで注目すべきことは以下の通りです。
・電気量保存則→島を見つける
・時間経過による扱いの変化
→電源を入れた直後なら「導線」
→十分に時間経過なら「断線」
これが非常に重要になってきます。キルヒホッフの法則を使うためにコンデンサーが出てきたらこの点に注目しましょう。
直流回路のダイオードの特徴
ダイオードは「特殊な抵抗」と理解しておけばOKです。
特定の方向にしか電流を流さないという特徴があります。
スイッチ付きの抵抗と考えると分かりやすいかなと思います。
これが基本ですが、ダイオードは問題によってどういうときに電流が流れるかが異なるので問題に応じて扱えるようにする必要があります。
ダイオードの扱い方
ダイオードはこの性質がそのまま解法につながります。
- 状況によって断線扱い
- 断線扱いしようがしまいが電位差はかかる
この2点に注目していきましょう
電磁気の回路問題のコツ:交流回路の素子の特徴
交流回路でも各素子の特徴は直流の場合と同じです。
\(V = RI\)、\(Q = CV\)などの基本的な公式は成り立ちます。
交流において最も大事なことは次です。
電圧と電流の位相
交流を直流に置き換える
この2つ視点で見た各素子の特徴を付け加えていきます。
交流回路の実効値
交流電圧、交流電流の最大値を\(V_0, I_0\)とすると、実効値は次のように書けます。
もちろんこれも大事ですが、それよりも実効値の意味です。
実効値は交流を直流に置き換えることを表しているのです。
交流回路を実効値を用いて表すことで直流回路に置き換わり、そのときの各素子の性質を見ていくことが交流では重要になってきます。
(ちなみに図のように置き換えると抵抗のみになる理由は後程わかります)
ここから
- 各素子における電流と電圧の位相差
- 直流に置き換えたときの性質
を見てきます。
交流回路の抵抗
交流回路の抵抗は特に問題ありません。
電圧と電流の位相差→なし
直流に置き換えた場合→抵抗値\(R\)の抵抗
交流回路において、電圧と電流の位相に差はありません。また、直流に置き換えた場合同じ抵抗値\(R\)の抵抗を置いた場合と変わりません。
交流回路のコイル
・電流は電圧より位相が\(\frac{\pi}{2}\)遅れる(電圧は電流より位相が\(\frac{pi}{2}\)進む)
・直流に置き換えると\(R_L = \omega L\)の抵抗になる
まず、コイルには電流と電圧に位相差があります。どちらを基準にして進むか送れるかは注意が必要です。
また直流に置き換えた場合\(R_L = \omega L\)の抵抗と同じ役割を果たします(これをリアクタンスという)。
交流回路のコンデンサー
・電流は電圧より位相が\(\frac{\pi}{2}\)進む(電圧は電流より位相が\(\frac{pi}{2}\)遅れる)
・直流に置き換えると\(R_C = \frac{1}{\omega C\})の抵抗になる
まず、コイルには電流と電圧に位相差があります。どちらを基準にして進むか送れるかは注意が必要です。
また直流に置き換えた場合\(R_C = \frac{1}{\omega C}\)の抵抗と同じ役割を果たします(これをリアクタンスという)。
電磁気の勉強法は概要を知って問題で確認
ざっと各素子について確認しました。
これで最初に見せた図の意味がよくわかったかと思います。
(クリックで拡大)
「まずキルヒホッフの法則を使うことを考え、各素子の電圧を求めたいときに、その素子の特徴に注目する」
回路も問題はこれで確実に解くことができます。
電磁気の勉強法はこの1枚の図を理解してください。そして、問題で本当に解けるか確認してください。
これさえ分かっていればもはや問題集を1周もしなくていいです。
問題を解いてパターンを暗記して、毎回違う解き方をするのではなく、この解法1つで解くことができるわけです。
ただ、これを理解するには式の導出や背景などを学ぶ必要があります。
もちろん独学で学ぶこともできますが、時間もないし早く終わらせたいですよね。
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まとめ:電磁気の回路問題のコツ
いかがでしたか?
今まで回路問題を解くのに苦しんでいた人は、「たった1つの解法でこんなにもきれいにまとまっているなんて!」と思ったと思います。
この解法を身に付けて、合格を勝ち取りましょう!!
Comment
最後のまとめの図の交流回路の部分、コイルとコンデンサーの説明が逆ではないかと思います。