気体分子運動論とは?問題必勝パターンを分かりやすく解説

 

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オンライン物理塾長あっきー。高3秋から1か月で40点点上げ、センター試験では満点を取り、その経験を活かし塾講師として活躍。塾・学校・参考書の内容やカリキュラムに違和感を感じ数多くの高校生を救うため、大学2年生で「受験物理Set Up」を開設。多くの高校生が活用するサイトに発展し、現在「合格への道」で勉強法に特化した受験サポートを行う。

Akinoriさん。熱力学で気体分子運動論っていうのがあるじゃないですか?あれって入試で出るんですか?

AI

もちろん!でもね、気体分子運動論が出たらラッキーだと思ってください!

AKINORI

え?なんでですか?

AI

流れが決まっているからだよ。

AKINORI

気体分子運動論は結構入試でも問われます。

でも安心してください。

気体分子運動論は余裕です!!

 

ここでやる流れを理解できていればOKです。

 

なので、今回やることは完璧に人に説明できるようにしてください!!

 

気体分子運動論とは?

そもそも、気体分子運動論って何?

こんな難しそうな名前付いちゃってるけど何!?

 

 

となってしまうので、概要を簡単に説明してから細かい話に入っていきます。

 

今まで、見てきた状態方程式とか第一法則とかはすべて「気体」という大きな観点から見てきましたね。

 

でも、「気体」って結局のところ、「分子の集まり」ですよね?

 

だから、

気体のふるまいを分子レベルでみたらどうですか??

 

という提案を受け入れよう!!

というのが「気体分子運動論」です。

 

要は力学から熱力学へつなげようというお話です。

 

流れはこんな感じです。

  • 分子一個の衝突
  • 全分子の衝突

→これにより圧力がわかる!!

  • 状態方程式から温度の正体がわかる!?

 

ではやっていきましょう!!

分子一個の衝突

まず、一辺が\(L\)の立方体があって、この中に質量\(m\)の気体分子が\(N\)個入っている状況を考えます。

 

まず、気体の圧力を考えたいので、

分子一個が壁に衝突する様子を見ていきます。

 

圧力は簡単な話、「壁を押す力」なので壁の衝突を考えれば圧力は出るだろう、ということです。

 

衝突の話なので、運動量を考えます。

運動量についてはこちら

運動量=エネルギー!?運動量保存則はエネルギー保存則が分かればいけるという話

 

運動量はベクトルで扱うんでしたね。

ベクトルについてはこちら。

ベクトル量とは?高校物理でも使うべきベクトルのまとめ

衝突が弾性衝突(\(e = 1\))であるとすると

衝突後の速度は大きさが同じで向きが逆になります。

 

あとはあれですね。運動量と力積の関係ですね!!

AI

 

(はじめの運動量)+(された力積)=(あとの運動量)

ということで

\(m\vec{v_x} + (分子がされた力積) = -m\vec{v_x}\)

\((分子がされた力積) = -2m\vec{v_x}\)

 

今は、壁を押す力を考えたいので、

壁がされた力積を考えましょう。

 

壁がされた力積は、分子がされた力積のマイナス倍です。

作用反作用からわかりますね。

ということで、一個の分子から一回の衝突で壁がされた力積

\((壁がされた力積) = 2m\vec{v_x} = (2mv_x)\)

 

と表すことができます。

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分子は跳ね返りますが、逆側の壁でまた跳ね返ってまた衝突して・・・

という風に何回も衝突を繰り返しますね。

そこで、時間\(\Delta t\)の間にどれだけ衝突して、壁に力積を与えるかを考えます。

 

つまり

(一回の力積)×(衝突回数)を求めます。

 

時間\(\Delta t\)では物体は距離\(v_x t\)だけ進みますね。

(衝突前後で速さは変わらないから。)

 

一方分子が往復距離\(2L\)進むごとに一回衝突します。

 

ということで衝突回数は

\(\frac{v_x \Delta t}{2L}\)

ですね。

 

なので、時間\(\Delta t\)で分子一個から壁が受けた力積

\(2mv_x・\frac{v_x \Delta t}{2L} = \frac{mv_x^2\Delta t}{L}\)

となるわけです。

ひや~、大変!

AI

頑張って(笑)。次は全分子の衝突を考えていくよ!

AKINORI

 

全分子が及ぼす平均の力を求める

今、1分子が及ぼした力積が

\(\frac{mv_x^2 \Delta t}{L}\)

と表されたんですよね。

 

だから全分子の力積を考えるときも、これを足していけばいいですよ。

\(N\)個の分子の速度の\(x\)成分をそれぞれ

\(v_{1x}, v_{2x}, … v_{Nx}\)

としてやれば、時間\(\Delta t\)で全分子が与えた力積は

\(\frac{m\Delta t}{L} (v_{1x}^2 + v_{2x}^2 + … + v_{Nx}^2)\)

 

です。

いや~、扱いにくいです!!

AI

そだね。だから、平均を使います。

AKINORI

 

速度のx成分の平均を

\(\bar{v_x^2} = \frac{1}{N} (v_{1x}^2 + v_{2x}^2 + … + v_{Nx}^2)\)

とおくと、全分子が与えた力積は次のように変形できますね。

\(\frac{m\Delta t}{L}・N\bar{v_x^2}\)

 

これは力積なので、全分子の平均の力を\(\bar{F}\)とすれば

\(\bar{F}\Delta t = \frac{m\Delta t}{L}・N\bar{v_x^2}\)

となるわけです。

 

つまり、全分子が壁に与えた平均の力

\(\bar{F} = \frac{Nm\bar{v_x^2}}{L}\)

となります。

 

ここで注目したいのが\(\bar{v_x}\)です。

 

速さに関しては

\(v^2 = v_x^2 + v_y^2 + v_z^2\)

という関係が成り立つので、当然、平均についても

\(\bar{v^2} = \bar{v_x^2} + \bar{v_y^2} + \bar{v_z^2}\)

が成り立ちますね。

 

 

そして、分子数\(N\)は超大きい数ですよね?

そして、各分子は不規則に運動しているはずなんですよ。

 

 

なので、各成分の平均は等しいですね

\(\bar{v_x^2} = \bar{v_y^2} = \bar{v_z^2}\)

 

ということで

 

\(\bar{v^2} = \bar{v_x^2} + \bar{v_y^2} + \bar{v_z^2}\)

\(\bar{v_x^2} = \bar{v_y^2} = \bar{v_z^2}\)

 

この二式から

\(\bar{v_x^2} = \frac{\bar{v^2}}{3}\)

が成り立つわけです。

 

 

\(\bar{F}\)を書き直すと

\(\bar{F} = \frac{Nm\bar{v^2}}{3L}\)

となります。

 

 

圧力\(P\)は力を面積で割ればいいので

\(P  = \frac{\bar{F}}{L^2} = \frac{Nm\bar{v^2}}{3L^3}\)

 

ここで\(L^3\)は立方体の体積なのでこれを\(V\)と置けば

 

\(PV = \frac{Nm\bar{v^2}}{3}\)

となりますね。

 

温度の運動エネルギーの関係をつかむ

あ!\(PV\)とくれば状態方程式を使いたくなります!!

AI

そうだね!

AKINORI

状態方程式\(PV = nRT\)を使えば

\(nRT = \frac{Nm\bar{v^2}}{3}\)

 

なんか\(mv^2\)が運動エネルギーっぽいですよね。

それを考慮して式変形します。

 

\(\frac{1}{2}m\bar{v^2} = \frac{3}{2} \frac{n}{N} RT\)

 

右辺に注目しましょう。

まず\(\frac{n}{N}\)は単位を見れば[mol / 個]

つまりアボガドロ定数\(N_A\)[個 / mol]の逆数\(\frac{1}{N_A}\)ですね。

そして\(\frac{R}{N_A}\)は定数です。これを\(k\)(ボルツマン定数)と置けば

\(\frac{1}{2}m\bar{v^2}  = \frac{3}{2}kT\)

 

あれ?左辺は運動エネルギーで右辺は温度?

AI

そう。これが示したかったものです。

AKINORI

 

この式はつまり・・・

温度とは、分子の運動エネルギーである!!

 

 

面白い結果ですよね。

 

分子の運動が活発なものほど「熱い」って感じるんですね。

 

そして、温度の最低が-273度であるのも、ここが分子の運動が止まっちゃう点だからなんだね。

 

 

まとめ

まあ、結構細かく話したので長くなったけど、大まかに見ればそこまでステップ数は少ないです。

 

この話は真っ白な紙に、自分でこのストーリーを書けるように理解してください!!

  • 気体分子運動論の流れ
  1. 分子一個の衝突
  2. 分子全部の衝突
  3. 温度と運動エネルギーの関係

 

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