電流が受ける力とローレンツ力。問題で問われることをまとめてみた
今回はですね。電流が受ける力とローレンツ力について問題で問われることをまとめてみました!
AKINORI
やった!!これで点数が取れるよ~。
AI
電流が受ける力
電気と磁気は関係が深いっていうのはわかるよね。それが現れるのが今回やる「電流が受ける力」です。
AKINORI
中学校のときにこんなのやったでしょう。
U字磁石に導線置いて電流流すと・・・
わ!動いた!!
ってやつ。
磁場が働いているところに電流が流れると力を受ける。
こうやって、電気と磁気が深く関係しているわけですね。
この電流が磁場から受ける力はこうかけます。これはおぼえてください!
磁束密度の大きさが\(B\)、電流が\(I\)でこれらが垂直であるとき、長さ\(L\)の電流が受ける力について
大きさ:\(F = IBL\)
向き:フレミング左手の法則(「FBIは左利き」)
いくつかポイントが2つあります。
磁束密度と電流が垂直のとき、力を受ける
まずは、\(F = IBL\)と書けるのは、
磁束密度と電流が垂直のとき
です。
垂直じゃないときは分解すればいいんですね!
AI
そういうこと。
AKINORI
この場合、電流と磁束密度が垂直ではないですね。このままでは。
\(F = IBL\)
としてはいけません。
そこで、磁束密度を電流に対して、平行なものと垂直なものに分解します。
ローレンツ力は平行なものは関係ないので、
垂直なものだけを考えれば良く
\(F = IBL\sin{\theta}\)
と書けるわけです。
向きは「FBIは左利き」と覚えよう
二つ目のポイントは、それぞれの物理量の向き関係です。
これらは図のように向きが決まります。
このような向き関係が成り立っていて、どれをとっても垂直です。
そしてこれはみんな大好き、「フレミングの左手」ですね。
左手を出して、それぞれ
- \(F\)→親指
- \(B\)→人差し指
- \(I\)→中指
というように合わせます。
問題の状況に応じて左手を合わせれば求めたい物理量の向きが出ます。
まあ、これは
「FBIは左利き」
って覚えてもらえばいいです。
「FBI」、「左利き」・・・もしや「赤井秀一」では!!
AI
まあ、そうだね(笑)。僕もコナン大好きだからAIさんと同じこと思ってた(笑)。
AKINORI
電流がなんで力を受けるの?
でも、電流が力を受けるってイメージつかないんですけど・・・
AI
そだね。電流って「電子の流れ」だったよね。つまり、電流が力を受けるっていうのは、電子が力を受けている。こういうことだ!
AKINORI
電流は電子の流れというのは知っているでしょう。
ですから、電流が力を受けるのは、電子が力を受けているからなんですね。
ならば、電子1個が受ける力はいくらでしょうか?
このように、断面積\(S\)で長さが\(L\)の導線を考えます。
電流が\(I\)、磁束密度の大きさが\(B\)であり、図のような向きを向いているとしましょう。
この導線が受ける力はさっきやったように
\(F = IBL\)
ですよね。
ここで、電子の速さを\(v\), 電荷量を\(e\)、数密度を\(n\)とすると
\(I = vSne\)
とかけます。
これについてはこちらチェックしましょう!!
なので
\(F = vSne \cdot BL\)
と書き換えられます。
んで、電子一個が受ける力を\(f\)とすると、
全電子\(N\)個が受ける力を合わせたら、電流が受ける力\(F\)になりますね。
\(N = n\cdot SL\)ですから。
\(f\cdot nSL = vSne\cdot BL\)
∴\(f = evB\)
このように電子の受ける力を出すことができます。
これをローレンツ力と言います。
今は電子を考えていましたが、磁場中を動く電荷なら電子でなくても力を受けます。
一般に、電荷量の大きさが\(q\)の電荷が受けるローレンツ力の大きさは
\(f = qvB\)
です。
ローレンツ力
大きさ\(B\)の磁束密度に対して、垂直に速さ\(v\)で動く時、ローレンツ力は・・・
大きさ:\(f = qvB\)
向き:「FBIは左利き」
ローレンツ力は電流が受ける力を元に考えたので、「FBIは左利き」を使って考えます。
ここで、注意なのが、
\(v\)の向き
です!!
ここは、\(I\)に当たるものですよね?
「電流の向き」というのは
正電荷が動く向き
です!!
もし負電荷だったら・・・
実際に動く向きと逆向きに親指を向けないといけないってことですね!!
AI
そういうこと!
AKINORI
電流の向きは負電荷の動く向きとは逆です。
あくまで、左手は中指を電流の向きに合わせるので、負電荷の向きとは逆に中指を合わせないといけないのです!
それだけですね。注意点は。
もちろん、垂直じゃない場合は、垂直なものと平行なものに分けて考えます!
ローレンツ力の問題で問われること
このローレンツ力。ある力学の問題と必ず関連付けてきます。何だと思う?
AKINORI
え・・・?何だろう?
AI
ローレンツ力のそれぞれの物理量の向き関係をもう一度見直してみてください。
速さと力は垂直ですよね?
もっと言えば、
動く向きと力の向きは垂直です。
しかも常に垂直です。
あ!円運動!!
AI
そう!ローレンツ力は円運動と関連付けて問題で問われます
AKINORI
円運動とくればやるべきことは、分かりますね。
円運動についてはこちらをチェックしてね。
ローレンツ力=円運動という意識があると、何が問われるか予測がついて問題に入りやすいですね!!
AI
まとめ
ローレンツ力に関しては「円運動」と絶対に関連付けてきます。
円運動とくれば運動方程式やエネルギー保存則。これらを使っていけば良いわけです。
融合問題でも太刀打ちできるように、「何と関連付けられるのかな?」って考えていくと勉強もはかどりますね。
- 電流が受ける力の大きさ
\(F = IBL\)
- ローレンツ力の大きさ
\(f = qvB\)
向き:「FBIは左利き」
*ローレンツ力のときは電荷の速度の向きに注意!!
*ローレンツ力は円運動と絶対融合!!